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GODZILLA 怪獣惑星

『GODZILLA 怪獣惑星』は、ポリゴン・ピクチュアズ制作による日本の長編アニメーション映画。通称は『アニゴジ』。ゴジラシリーズとして初の3DCGアニメーション作品となる。実写映画では描写が難しいSF映画作品となっている。巨大生物「怪獣」の脅威にさらされ22年間宇宙移民となった人類が、亜空間航行の影響によって約2万年が経過した地球を舞台に、奪還を目指し怪獣「ゴジラ」に立ち向かう模様を描く。

ストーリー[]

20世紀末、人類は環境変化が原因で地球上に出現した巨大生物「怪獣」の脅威に晒されるようになった。中でも他の怪獣を駆逐する力をもった「ゴジラ」の暴威は凄まじく、半世紀に渡り敗走を重ねた人類は種全体の存続を図り、一部の人間を他星に移住させる計画を立案する。2048年3月14日、恒星間移民船の1つ「アラトラム号」はコンピュータによって選抜された一部の人間と、同盟を結んでいた異星人種「エクシフ」と「ビルサルド」を乗せ、11.9光年彼方の惑星くじら座タウ星eを目指して旅立った。出発から約22年後。人類の過酷な宇宙生活の末にアラトラム号はタウ星eに到着するが、そこは人類の生存に適さない環境であり、移住計画は事実上失敗に終わる。老人ばかりの志願者たちで入植を強行しようとする中央委員会に対し、ハルオ・サカキはタウ星eからの即刻退去と移民プランの完全棄却を要求して揚陸艇に篭城するも拘束され、タウ星eへの着陸を試みた揚陸艇は降下中の事故で全員死亡する。今後の移民が困難となり、さらにハルオがエクシフの軍属神官メトフィエスの協力で立案した「対ゴジラ戦術」がリークされたことで、船員たちの間では地球帰還を望む声が高まり、中央委員会は地球への帰還を決断する。アラトラム号は長距離亜空間航行を用いて往路よりもはるかに短い時間で地球へと到着する。しかし、亜空間航行の影響で地球では約2万年もの歳月が経過していたうえ、調査の結果、未だにゴジラが生存していることが判明する。中央委員会は帰還を諦めようとするが、メトフィエスの後押しでハルオの戦術案が採用され、ゴジラ殲滅のため600名からなる地球降下部隊を派遣することが決定する。保釈されたハルオは、幼なじみのユウコ・タニやエリオット・リーランドと共に地球に降下し、ゴジラ捜索のための準備と変わり果てた地球環境の調査を進める。しかしその最中、ゴジラに捜索に当たる予定だったリーランドの部隊が怪獣セルヴァムの襲撃に遭い、被害を受ける。さらなる犠牲を避けるため、メトフィエスの案でリーランドたちは仲間の部隊との合流を経て撤退を試みるが、部隊は事前の作戦ルートを行軍中にゴジラと遭遇する。ハルオはゴジラの防御力の要である非対称性透過シールドの電磁パルスパターンを解析するために単身ゴジラに挑み、それを支援しようと単身ゴジラに攻撃を仕掛けたリーランドの死と引き換えにデータの入手に成功する。ゴジラから逃れ、ビルサルドの技術士官ムルエル・ガルグと合流したハルオは指揮権を掌握したメトフィエスから指揮権を委譲され、作戦の続行を決定する。ハルオたちは多くの犠牲を払いながらも作戦を進め、ついにゴジラのシールドを一時的に無力化し、撃破に成功する。念願のゴジラ討伐を果たした一同は歓喜するが、環境生物学者マーティン・ラッザリは、今回討伐したゴジラが経過年月と比較して何の変化もないことから、2万年前の個体とは別である可能性を指摘する。そして、マーティンの推測を裏付けるかのようにハルオたちの前に2万年もの間300メートルの大きさまで進化を続けた「ゴジラ・アース」が出現し、部隊はまたたく間に壊滅に追い込まれる。

キャスト[]

地球人[]

ハルオ・サカキ[]

声 - 宮野真守、洲崎綾(幼少期)。主人公。日本人。24歳。身長173センチメートル。階級は大尉。地球を脱出する直前に、両親がゴジラの襲撃に巻き込まれる様子(ではなかったが)を目撃した過去から、ゴジラに対して人一倍強い復讐心を抱いている。同時に、人類が真の意味で再起するためには人としてゴジラを倒すしかないと考えているが、人を捨てなければゴジラを倒せないと考えるガルグからはその矛盾を非難されている。宇宙船内ではダイチを父親代わりに育ち、ユウコのことは生まれた時から妹のように面倒を見てきた。高いカリスマを持ち、エクシフからはその献身性を、ビルサルドからは優れた自己決断力を評価されている。タウe上陸に反発し揚陸艇を占拠したことで第一級反逆罪を問われ、船内の独房で拘留される中でメトフィエスから与えられたアラトラム号の機密データを元に対ゴジラ戦術を執筆。さらにメトフィエスの計らいで罪状を保留される形で保釈され、地球降下に参加する。リーランドの戦死後はメトフィエスから指揮権を委譲される形で対ゴジラ戦術を実行に移し、自らもパワードスーツ機械化特務分隊を率いてゴジラ・フィリウスの背びれへプローブを打ち込みを行う。直後に出現したオリジナル個体のゴジラ・アースの襲撃により負傷する。小説により、母親は欧州奪還作戦におけるパリの戦いの英雄ハルカ・ヤシロ、父親は地球連合情報軍総合情報部調査官としてこの小説の物語を記録したアキラ・サカキと判明。名前は「いつか冬を越えて、命が蘇る春が巡り来る」ことを祈って両親から付けられた。

ユウコ・タニ[]
声 - 花澤香菜。アラトラム号で生まれた日本人女性。19歳。身長160センチメートル。階級は曹長。ハルオの幼なじみで、彼に特別な思いを抱いている。非凡な兵器開発・改造技術に加えて、パワードスーツや地球人では扱いの難しいヴァルチャーを乗りこなす操縦テクニックをもつ。祖父ダイチが命を落とした降下艇の爆発事故に関してハルオの話を聞くために地球降下部隊に志願し、リーランドからハルオの「お目付役」を任される。ゴジラ・フィリウスとの戦闘ではパワードスーツ部隊に参加し、ハルオと共にその最終段階となるEMPプローブスピアの打ち込みを行う。だが、ゴジラ・アースの攻撃でハルオと離れ離れになる。
マーティン・ラッザリ[]
声 - 杉田智和。軍属の環境生物学者であるイタリア系アメリカ人。34歳。身長175センチメートル。階級は少佐。好奇心旺盛な性格で、自己決断力にも優れるが、ビルサルドから見ても少々「特殊」。生物の進化とは長期的な時間の中での環境への適応によって成り立つものと考えている。地球到着後は放射線濃度の観測結果が平穏だったことからゴジラの同種が複数存在する可能性は低いと推測し、地球降下後は主にゴジラや一変した生態系の分析を行う。対ゴジラ作戦ではガルグと共にゴジラの電磁気増幅器官への攻撃を担当した。遭遇したゴジラと21世紀に確認されたゴジラの体格がほぼ同じだったことから最初の自説を否定し、これらが別個体だと推測、直後に出現したゴジラ・アースによって新説が裏付けられることになる。
アダム・ビンデバルト[]
声 - 梶裕貴。揚陸艇およびホバーの操縦士を務めるドイツ人。21歳。階級は少尉。明るい性格で、ハルオに尊敬の念を抱いている。ゴジラ・フィリウスとの戦闘では、当初ベルベと共にホバーバイク部隊を率いてゴジラへの陽動を行う。セルヴァムの妨害で作戦に遅れが生じた際は、ハルオの指示で即席の誘導路を形成するための爆撃を担当し、揚陸艇を熱線で撃墜されながらもゴジラを指定ルートにおびき寄せる。
エリオット・リーランド[]
声 - 小野大輔。アラトラム号の保安主任で、地球降下部隊総司令に任命されたイギリス人。32歳。身長180センチメートル。階級は大佐。ハルオより8歳年上で、幼少期は宇宙船の中で兄弟のように育った。野心家で、ゴジラ討伐をきっかけに中央委員会に代わって権力を手中に収めようと画策する。その一方で極めて慎重な性格をしており、必要以上のリスクは犯さない主義。降下直後にセルヴァムの群れに襲撃されて人員と機材に被害が出たことや、地球の大気と水が毒性を持っていたことから移住を断念し撤退を宣言、しかし揚陸艇が全機破壊されたためにゴジラの推定回遊圏内を通過して他の中隊と合流せざるを得ない状況になる。行軍中にゴジラの襲撃を受け、ホバーバイクに乗り単独で戦うハルオの援護をするため多脚戦車で特攻、「非対称性透過フィールド」のノイズ周期を解明したものの熱線を浴び殉職する。
ウンベルト・モーリ[]
声 - 堀内賢雄。アラトラム号の船長で、中央委員会の人間代表も務めるイタリア人。56歳。階級は大将。地球連合の発足以前の戦いで、ゴジラに敗れた過去をもち、そのためゴジラへの対応には慎重になっている。ハルオのゴジラ討伐計画をメトフィエスとエリオットに押される形で承認した。 2039年の「オペレーション・エターナルライト」前哨戦では轟天型潜水艦1番艦「轟天」副長としてジングウジ艦長を補佐しながらマンダを倒し、その後も対怪獣作戦に従軍した功績を認められ、アラトラム号船長に選ばれる。だが、轟天最後の出航直前に爆発事故で負傷、退艦していたため、自分のみが生き残ったという経緯があり、自分を船長に選んだ人工知能の決定に疑問を持っている。
タケシ・J・ハマモト[]
声 - 山本兼平。移民船アラトラム号の副長で、中央委員会のメンバー。階級は准将。事なかれ主義の保守的な思考な持ち主で、ハルオのゴジラ討伐計画に対しても強い難色を示した。『プロジェクト・メカゴジラ』では、アキラの調査報告を怪獣災害にあった被害者の証言をまとめたという性格から信頼性が極めて低いという判断を下している。
ダイチ・タニ[]
声 - 堀越富三郎。ユウコの祖父。元地球連合極東陸軍所属。アラトラム号で孫娘のユウコと共に、友人から託されたハルオを育てていたが、長年の船内生活に疲れ果て、危険を承知でタウeへの降下計画に志願。反対するハルオを諭して同じような志願者と共にタウeに向かったが、その途中に起きた揚陸艇の爆発事故により死亡、「大地で終わりたい」という願いが果たされることはなかった。小説版では元地球連合極東陸軍所属の一曹→曹長。2030年代には40代を過ぎていたが、富士教導団での試作兵器開発や朝鮮半島および中国大陸での威力偵察を経験し、2039年の「オペレーション・エターナルライト」ではノルマンディーにてビオランテ撃滅に貢献している。ハルオの父アキラとはインド防衛線崩壊時に知り合い、日本が陥落した際に彼を助けたことが縁で護衛を務めるようになる。
マルコ・ジオーネ[]
声 - 柳田淳一。工兵隊所属の兵士。アダムとは同年代。階級は伍長。
ジョシュ・エマーソン[]

声 - 石谷春貴。マーティン・ラッザリの助手。アラトラム号内の生まれであり、木を記録でしか見たことがなく、紀元後2万年の地球の植生を見た際には記録との違いに驚く。

エクシフ(異星人)[]

メトフィエス[]
声 - 櫻井孝宏。軍属神官(大司教)。50歳(地球人換算で25歳)。身長195センチメートル。階級は中佐。エンダルフに代わって教団を運営し、その人格と博愛主義から人種を越えた人望を集める。感情を表にだすことがなく、常に穏やかで冷静。ゴジラ討伐に燃えるハルオの理解者であり、献身を体現する稀有な地球人として彼こそがゴジラと対峙する英雄にふさわしいと考え、委員会会議でも彼の仮釈放から地球への帰還および降下の進言、リーランドの死後の指揮権の譲渡など最後までハルオの支援を続けた。一方でゴジラ・アースの存在を最初から予想していた節があり、ゴジラ・アースの出現の際にも落ち着いた様子を見せている。
エンダルフ
声 - 山路和弘。異星人「エクシフ」の族長である軍属神官(枢機卿)。105歳(地球人換算で50歳)。階級は中将。メトフィエスの上官だが、教団の運営は実質的に一任している。人道主義者。

ビルサルド(異星人)[]

ムルエル・ガルグ[]
声 - 諏訪部順一。異星人「ビルサルド」出身の技術士官。60歳(地球人換算で35歳)。身長185センチメートル。階級は中佐。ビルサルドの面々でも特に屈強な肉体の持ち主。かつて、地球連合軍戦略技術研究所でメカゴジラの設計に携わった過去を持つ。ハルオへの期待と信頼は厚いが、ビルサルドとして自然は科学を持って制し、怪獣を殲滅するということは自身らがそれ以上の種になるということであり、ゴジラを倒すには“ヒト”を超えた存在に至らなければならないという信念を抱く。そのため、ゴジラを地球文明の偉業、ゴジラを制御できなかったことが地球人の咎だと捉え、「環境の支配者をゴジラと呼ぶならば、人型種族こそがゴジラと呼ばれるに足らなくてはならない」と主張する。ハルオの対ゴジラ戦術の有用性を認め、科学的裏付けを行う。その後ハルオらと共に地球へ降下し、ゴジラ・フィリウスとの戦闘では特殊仕様の戦車でゴジラの電磁パルス増幅器官への攻撃を担当した。
リルエル・ベルベ[]
声 - 三宅健太。ビルサルド出身の軍事教官。55歳(地球人換算で35歳)。階級は少佐。ハルオたちの軍事教官を務めた過去を持つ。ビルサルドの思想には忠実で、メカゴジラシティとの同化を生命の進化と同義だと考えており、感情を捨て完全なる論理の世界で生きることを理想として語る。地球ではホバーバイク部隊の右翼2班を率いてゴジラ・フィリウスの陽動や誘導を行った。
ハルエル・ドルド[]
声 - 中井和哉。ビルサルドの族長。70歳(地球人換算で40歳)。階級は中将。常に論理的な思考を取る科学至上主義者にして冷静沈着な懐疑論者で、何事に対しても違う視点からの可能性を指摘する。

登場怪獣[]

ゴジラ[]

作中世界の1999年から地球上に現れ始めた怪獣のなかでも別格の存在に位置付けられる、植物を起源とした超進化生命体。命名は戦略生物学教授のキョウヘイ・ヤマネ博士らによるもので、小笠原諸島の大戸島に伝わる龍神「呉爾羅」に由来する。骨格は存在せず、金属成分を多く含有した超進化植物の繊維で構成される。植物は遺伝子の水平伝播によってさまざまな生物の特性遺伝子を取り込んでいるとされ、クマムシのようにあらゆる悪条件に耐えられる。その防御性能は、体細胞を強力な電磁石として機能させ、背びれの「生体内増幅器官」から桁外れの高周波電磁パルスを放射することで、表皮直下にありとあらゆる物理干渉を遮断する「電磁メタマテリアル」の「非対称性透過シールド」を展開する能力によるものである。また、表皮は多層泡状構造を形成することで熱核攻撃やマグマ溜りにも耐える超高熱耐性を有しており、組織の一部がプラズマ焼却されても猛烈な細胞再生能力によって回復してしまう。シールド、泡状表皮、再生力の組み合わせにより無敵に近い存在ではあるが、狭い範囲に大量の攻撃エネルギーを集中させると、1/10,000 - 1/3,500秒ほど、シールド無効時間となる周期的な「ノイズ」が発生するという弱点がある。このノイズを干渉波攻撃で拡大することによりメタマテリアルのシールドに隙間を生じさせることが可能となっており、その間に同調攻撃で増幅機関を破壊し、組織が修復されるまでの数十秒で電磁パルスプローブスピア(略称:EMPプローブ)を体内深部に打ち込むことで理論上は打倒でき、体内電流がオーバーロードした状態では自らのエネルギー量に比例してショートするので、熱線を放射するほどの高電圧を帯びることで自爆が誘発される。攻撃手段として、口から放つ高加速荷電粒子ビーム「熱線」があり、頑強なほかの怪獣の甲羅をも貫くどころか山さえも吹き飛ばす。胴体は荷電粒子砲の加速機器に相当する機能を持つ。さらに威力を高めると螺旋を描く真紅の柱のような攻撃に変化し、月と同等の質量を持つ小惑星を地球から狙撃して粉砕するうえ、その余波で異星人の技術による強化シールドさえ破る強烈な電磁波が発生し、300キロメートル以上離れた地点の電子機器すら破壊する。なお、増幅機関である背びれが破壊されただけなら熱線発射能力は損なわれない。体表はあらゆる電波を吸収する性質を持ち、熱線発射時を除けば赤外線も放射線もほとんど感知できない。その完璧な隠密性から発見は困難となっており、ほとんどの精密誘導兵器も機能しないため、攻撃の際にはある程度の距離まで接近しなければならないが、接近すれば熱線に伴う電磁波障害で軍用電子機器でも故障してしまう。電磁推進器官の存在が示唆されるほどに優れた遊泳速度は2040年代の最新鋭潜水艦を上回るとされ、優れたステルス性も加わり異星人の技術をもってしても海中での追跡は困難であった。高度な知性を持つことが推察できる行動を取ることが確認されており、2042年のゴラスや2046年のメカゴジラなど、自身の脅威になると判断した存在を積極的に排除しようとする。人類を探し出して攻撃を行うことから「決して人類を見逃さない」と評されるうえ、自分以外の怪獣に対しても強い敵愾心を見せるという習性を持つ。前述の通り普段は放射線はほとんど観測できないが、通過した経路には高濃度の放射線が(場所によっては人間の致死量を上回るほどに)残留するうえ、破壊跡にはその放射能汚染に引き寄せられるかのように数多くの怪獣が出現する。その脅威から、真の霊長、怪獣たちの王(King of Monsters)、ヤツ、破壊神、究極生物、G、恐怖の象徴、神の獣などとも呼ばれた。メトフィエスによると「驕れる者への制裁の鉄槌」「自らを万物の霊長と僭称した種族への摂理からの復讐者」であるといい、同様の存在によって破滅に追いやられた異星文明も多いとされる。

登場個体

ゴジラ・アース

体高50m→300m以上、体重1万トン→10万トン以上作品世界内に初めて現れたゴジラ。20年未満の活動期間のうちに人類から地球の霊長の座を奪い、直接的な被害だけでも6億人を超える死傷者を生み、人類の生存圏から北アメリカ大陸とユーラシア大陸を喪失させ、地球外への移民計画を実行させるほどに人類を追い詰めた。元は太平洋に生息しており、2030年5月29日、大戸島に打ち上げられたカメーバIVの死骸からその存在が発覚し、ヤマネ博士らが調査に派遣された。この時は発見に至らなかったがそのまま海中を東へ移動し、同年、アメリカ西エリアにて初めて姿が確認され、初出現時にはロサンゼルスとサンフランシスコを壊滅させて海に消え、その間だけで推定870万人を死傷させる。翌2031年にワシントン沖で米国海軍を奇襲してシアトルを蹂躙し、12月24日にはコロラドスプリングズにて米軍との総力戦に圧勝し、インディアナポリスでは40メガトン相当の熱核攻撃に耐え、メキシコ湾から海へ戻っていった。1年後の2034年には西ヨーロッパへ上陸し、パリ防衛戦と称されるEUの総攻撃も時間稼ぎにしかならず、そのまま進行を続けてドイツを焼き尽くす。アルプスを越えてイタリアへ向かうかと思われていたが、2037年のザルツブルグ陽動作戦後には自らの意思で突如パリへ引き返し、海に消えるまでに推定600万人が死傷する。5年間の休眠を経て2042年に復活した際には北極の氷を融解させながら、地球に接近していた妖星ゴラスを熱線で狙撃して完全に粉砕し、海を南下して大西洋で欧州復興計画「オペレーション・ルネッサンス」中の輸送船団ごと連合艦隊の主力を壊滅させると北米に上陸する。地球連合首都兼武装都市となったニューヨークを一夜で滅ぼし、生存圏を求めて地球に飛来した異星種族ビルサルドとエクシフの母船の核融合炉を暴走させたことによるクリーブランドを消滅させる「オペレーション・プロメテウス」にも耐え、さらに「プロジェクト・メカゴジラ」のための時間稼ぎとして行われた「オペレーション・ロングマーチ」にてユーラシア大陸の奥地へ誘導されるまでに北アフリカと中央アジアで甚大な被害をもたらしている。これら計8回の出現を経た2044年には、世界各地にて推定3億人以上の犠牲者を生む。2045年、人類がエクシフおよびビルサルドと共同で発足させた地球連合による「オペレーション・グレートウォール」の際、一度は2,000発の熱核兵器でヒマラヤ山脈付近に形成された大断層帯に閉じ込められるが、熱量を溜め込んで山脈内部に膨大なマグマ溜りを形成するとその中を泳いで移動を開始し、1年後の2046年1月に熱線で大断層帯を破壊して復活する。史上初の「怪獣由来の火山活動」により、後にG火口と呼ばれる地点で大噴火を引き起こし、周辺に展開していた地球連合の部隊を火砕流で壊滅させ、そのままインド防衛線を突破してベンガル湾に消える。同年3月の遠州灘での地球連合海軍総戦力による富士山麓防衛戦では、艦隊も航空機も無視してメカゴジラの開発工場を狙撃し、妨害する艦隊の大半を壊滅させると浜松に上陸して富士へ向かい、対G最終決戦となった「富士裾野決戦」で地上部隊も殲滅する。翌日には東京湾を北上して芝浦埠頭から東京に上陸し、わずか3時間足らずで首都圏を蹂躙して日本列島を壊滅させ、消息不明となる。この時だけでユーラシア大陸にて2億人、日本にて1億人近い犠牲を生み出し、7億人まで減少した人類を地球から脱出せざるを得ない状況まで追い込んだ。2年後、2048年にはアラトラム号の出航目前である3月にリオデジャネイロを襲撃し、11日にその郊外のJSS3宇宙港を壊滅させ、13日に防衛軍の最終防衛線を突破したことで本部施設を核自爆させることになる。それから3か月間、未だ市民の残るサンパウロやサルヴァドールなどを攻撃して2億人以上を死傷させ、さらに南米を横断してエクアドルやペルーを焼き尽くし、7月31日には地球連合新本部ブエナベントゥラへ進行するも、モスラによって撃退される。8月15日に再出現し、地球連合最後の作戦「オペレーション・クレードル」の陽動部隊と対峙する。アラトラム号が帰還した紀元後2万年の地球では、G細胞由来の生物で構成された新しい生態系の頂点に君臨している。生態系は全て本個体に奉仕するような構造に出来上がっており、地上のあらゆる生命は擬態を通り越して同質化を行い眷属となり、それ以外(フツアなど)は地下に逃れてひっそりと暮らしている。約2万年の間に成長し続けて巨大化したことに伴い、超大音量の咆哮による共振現象で対象を粉砕する「超振動波攻撃」や、背びれから集中させた超高出力のプラズマをマッハ3 - 4の超音速で尾を振り回しながらスパークさせることで発生する長さ600メートルの「プラズマカッター」、遮蔽困難な重力波による分子振動で、熱源となる体内のコアを中心に5000度を超える高熱を放ち周囲を溶解させる力など、新たな能力も獲得している。分身ともいうべきG細胞生物が幾度もトラップで殺されていることからメカゴジラシティ(詳しくはこちらを参照)の存在を薄々感じ取り、熱光学迷彩で隠された街を探すために休眠を挟みながら関東・中部地方を回遊していた。劇中ではゴジラ・フィリウスの死亡直後に元丹沢大関門付近から突如出現し、ハルオ・サカキたち先遣隊に攻撃を仕掛け、超振動波攻撃とプラズマカッターによって部隊を壊滅状態に追い込む。
ゴジラ・フィリウス
地球帰還後、アラトラム号が初めて確認するゴジラ。ゴジラ・アースから細胞分裂して生じた個体なので、フツアからはゴジラの「しもべ」と呼ばれている。2030年時点でのアースとほとんど同じ体格・能力を持つ。無人偵察機の観測結果から旧山梨県・神奈川県を中心とした関東地方が回遊圏内だと推定され、元丹沢 - 元渋谷エリアにて、ハルオ・サカキら先遣隊と交戦する。初遭遇時は撤退行動中の地球降下部隊A中隊を元伊勢原市 - 元秦野市付近で攻撃する。「対ゴジラ戦術」を実行するためにホバーバイク部隊に陽動され、揚陸艇からの爆撃で形成された即席の誘導路を通過して丹沢大関門の奥へ進行させられる。2,000発の敷設トラップによる崖崩れで生き埋めにされたことで動きを封じられ、非対称性透過シールドのノイズが生じた一瞬に受けた砲撃により増幅装置を損傷したうえ、ハルオの決死の行動でできた隙に砲兵隊からの集中砲撃で再生する時間もなく背びれを大きく砕かれてシールドを失い、多数のEMPプローブを体内に打ち込まれたことで体内電磁波が暴走状態に陥り、最期は体内から大爆発を起こして死亡した。

セルヴァム[]

紀元後2万年の地球に生息するゴジラ細胞生物。ゴジラの亜種にあたり、記録にある地球原産生物とも異なる形状や、G細胞生物特有の金属に極めて酷似した構造、獰猛な性格が特徴。ワーム型と翼を持つ翼竜型の2種類が存在する。一方で森の中にはセルヴァムを捕食する植物もいる。

翼竜型[]

全長は十数メートル、翼長は10メートルほど。首と尻尾は長く伸び、体表は青みがかっており、頭部に複数の赤い眼球と鋭い牙を持つ。揚陸艇やパワードスーツの装甲を破壊する攻撃力を持ち、ホバーバイクと比較すると機動性は互角で敏捷性は上回る。数頭の群れで行動する習性があり、より小さいワーム型のG細胞生物などを捕食する。初遭遇となる元渋谷付近でのA中隊との交戦では死者12名、重軽傷35名を出し、揚陸艇4隻など大量の機材も破壊した。

ワーム型[]

表面はゴツゴツした鎧のような皮膚で覆われ、丸い口には無数の牙が生える。全長約6.5メートル。毒性のある霧が停滞するすり鉢状の窪地や土手に巣穴を作って生息する。周囲から伸びる触手状の根を用いて獲物に襲いかかる。翼竜型にとっては被食者だがかなりしぶとく、降下部隊が携行している銃弾では皮膚を通さない。

造形・表現[]

監督の瀬下寛之は「進化の最終存在」として、地球上の生命体で一番大きく一番寿命が長い「樹木」をコンセプトとして挙げ、特異な環境の中心にいる巨大な「世界樹」のような存在としている。超進化した植物が他類の強者の特徴を合成した「想像上の生き物」をモチーフとし、伝説や神話の生物が具現化したかのような、御神木や巨大な古木のような威厳があるようなデザインとなっている。全体像は「ゴジラらしい」象徴性を維持しつつ、独自のシルエット、かつ金剛力士像のような想像上の筋肉を足すことにより、威風堂々とした雰囲気にしている。頭部はゴジラとしての印象から離れすぎない程度に神獣としての「獅子」をイメージして猿、犬、竜などをモチーフに模索し、「肉食感」を強めないように小さめに、口・顎も大きくはなく、眼に哲学者のような高い知性を感じさせる。表皮は枯れ木のようなシルエットだが、色は金属のような鈍く光る紺碧、表面には苔が生えている。脊椎に沿って3列に並ぶ背びれは、肉厚なヒイラギの葉のような形状、背中の中央部が一番大きく、表面は葉脈のようで、高出力の電磁波を発生させる際にはこの脈に沿って光が移動し、ヒレ全体を発光させる。腕は屈めば自分の足先に届くくらいに長く、手は人間並みに器用な動きができる印象、爪は植物の棘が進化した感じである。脚は太くて力強く、いざとなったら前傾姿勢でダッシュできるような可能性を残したシルエットである。長大な尾は3本目の足として体を支えるが、下側の接地面積が少ない形状をしており、繊維質なので触手のように伸縮し、鋭利な先端で攻撃もできる。『シン』同様スーツは制作されておらず、イベントへの登壇の際にはvsシリーズのスーツが用いられている。

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